レアメタル産出国の動き

中国海南省で、大規模モリブデン鉱山を発見

10月5日、同省鉱業協会は、海南省最大規模となる
埋蔵量25万4,000トンのモリブデン鉱山を発見したと発表がありました。

経済価値はおよそ1000億元(約1兆5,000億円)と推定。
中国国内でも10本の指に入るほどの規模といわれています。

遼寧有色地質局探査総院が1年半にわたり地質探査を行った結果
海南省最大規模となるモリブデン鉱山が発見されたのです。

モリブデンは、鉄鋼用添加剤として有名ですが、
硬くて変形しにくい性質を鉄に与える特徴があります。

したがってモリブデンは、航空機や高層ビル、
軍用など重要な分野で幅広く用いられてきた希少な金属資源なのです。

採掘権は、地元の海南金洲城[金目]業がすでに獲得に名乗りをあげています。
投資額は15億元(約225億円)で、
年間7000万トンを生産し、売上高は年間13億元(約195億円)に達する見込みだそう。
雇用は3000人以上に及ぶだろうと期待されています。

kainan-map.JPG



中国、モリブデン埋蔵量1,094万トン

5月23日、中国非鉄金属工業協会モリブデン分会の理事会会議の席上で、
国土資源部情報センター張苺氏は、中国のモリブデン埋蔵状況を分析し、
「2006年の時点で、中国全土にモリブデン鉱山が315カ所あり、モリブデン埋蔵量は
1094万2100トンに達することが判明した」と発表しました。

現在までに、モリブデン鉱山165箇所、714万トンのモリブデン採掘が行われており、
中国モリブデン資源の約65%を占めています。



四川大地震から1週間、レアメタル供給不安と高騰の懸念

5月12日に発生した中国・四川大地震から1週間が過ぎました。

現地に進出する日系企業では、成都にあるトヨタ自動車の四川工場がこの19日に
操業を再開し、ほぼ復旧作業を終えました。

しかし現地の被害は拡大の一途をたどっており、震源地付近で産出される
レアメタル(希少金属)の供給不安など、世界経済に与える影響への懸念が高まっています。

震源地付近は、自動車用特殊鋼の副原料となるマンガンやバナジウムなどの
レアメタルの世界的な産出地で、日本はマンガンの大半を中国からの輸入しています。

合金鉄精錬に使うシリコンマンガンの現地加工工場からの供給は、物流の混乱で
ストップしたまま。大手鉄鋼メーカーでは、調達先の見直しなど対応に追われているのが現状。

レアメタルの輸入販売大手のアルコニックスは、特殊鋼向けタングステンや
ステンレス鋼副原料のモリブデンの大半を中国に依存しています。

しかし余震などに伴う2次被害が被災地周辺に点在する調達先に及ぶ可能性も
あるところから、「徐々に影響が出てくる」と懸念しています。

供給不安から市場価格が上昇。双日によると、世界的に需要が増大している
マンガンやバナジウムは、輸出先からの提示価格で地震前に比べ10~20%程度も
値上がりしているそうです。同社では「実際の供給不足というよりも、思惑買いで
上がっている」と分析しています。

さらに日本の鉄鋼業界などが懸念しているのが、今後の復興需要に伴う資源価格の
さらなる高騰です。

中国国内の鉄鋼需要は、政府の過熱抑制策にもかかわらず、前年比10~20%の
高い伸びが続いており、国内生産量も4月には単月で過去最高の5,237万トンに達しています。

北京五輪後も内陸部の中小都市のインフラ整備で鉄鋼需要は堅調に推移すると
みられていますが、政府が復興を進めるので、生産抑制を緩和するかもしれません。

鉄鋼原料の鉄鉱石や石炭は「中国の“爆食”」(大手鉄鋼メーカー)が一因で
急騰しているので、復興需要が加われば原料高の加速は必至と思われます。



内モンゴル自治区:対外貿易相手が世界153の国・地域に

内モンゴル自治区商務庁庁長の呂二喜氏によると、「改革開放以来、中国経済の
急成長によって、内モンゴルの海外知名度が向上している。2007年までに、
内モンゴル自治区で対外輸出入貿易を扱う企業は3861社へと増加し、
世界153の国と地域との間に貿易関係がある。」と話しています。

近年、内モンゴル自治区の対外貿易業が急成長し、貿易額は毎年大幅に増加しています。
2007年、内モンゴル自治区の総輸出入額は77億4000万ドル(約549億5400万元)で
2002年の2.2倍に増加しました。

カシミヤセーター、鉄鋼、レアメタル、大型トラックなどの製品も輸出されています。
内モンゴル自治区の飲食企業のチェーン店にはアメリカ、日本、カナダ及び
中国香港から12店舗にもなりました。

また、農牧業と商工業企業による国際市場開拓に伴い、内モンゴル自治区と貿易取引をする
国家が順調に増加、 特に内モンゴルに近いロシアとの貿易量は近年大幅に増え、
昨年の内モンゴル自治区とロシアの貿易額は29億9000万ドル(約212億2900万元)に達しまし



インド、鉱物資源を外国資本に開放

インド政府は、豊富な埋蔵量があるチタンなど鉱物資源開発への
外資導入を目指し、出資上限の引き上げやライセンス発行の迅速化などを
柱とする「新鉱業政策」を導入予定です。

この政策には、国営企業がもつ採掘権のリースを簡素化、
広範な鉱物資源について規制緩和を行うことも含まれています。

同国政府はこの政策によって2012年までに鉱業部門へ250億ドル(約2兆6500億円)の
投資を海外から呼び込み、50万人の雇用を生み出したいと考えています。

さらにインド政府は、航空機や原発に利用されるチタンの採掘事業で
現在実施している投資制限を廃止し、外国資本に全面的に開放することも
発表しました。
また今まで行われなかった鉱石物の輸出も認める方針です。

経済成長の著しいインドが資源大国として注目を浴びることも
時間の問題のようです。

インド




レアメタル高騰で、南アフリカが電力危機に

金、プラチナの世界的な産出国、南アフリカの電力危機がレアメタル相場を
史上最高の価格水準まで押し上げています。

南アの国営電力会社は20%節電を目標に、全国で2週間の「灯火管制」を実施しましたが、
基幹産業である鉱山会社への電力供給も半減したために、産金大手3社とプラチナ2社は
操業停止に追い込まれました。
最悪の場合は、6週間にわたり操業が停止されるかもしれません。

これにより、25日のロンドン金相場は1オンス=923.40ドル、プラチナは1オンス=1,697ドル、
ロジウムも1オンス=7,000ドル超の史上最高値をそれぞれ更新しました。

南アフリカは世界全体の80%近くのプラチナ、70%以上のロジウムを産出していますが、
これらは自動車の排出ガスを浄化する触媒として使われています。

金は「世界一の産出国」の座を中国に譲り渡しましたが、それでも南アフリカの主要な
輸出品です。




中国五鉱グループ、2007年の純利益約1088億円

1月22日、中国五鉱グループは、2007年、同社の経営状況や収益は
持続的成長をしており、売上高は218億元(約3488億円)、そのうち純利益は
68億元(約1088億円)に達する、と発表しました。

統計データを見ると、2007年までの同社の主な貯蔵生産手段は、鉄鉱石6億400万トン、
粘結炭(製鉄用コークス原料)2億5000万トン、タングステン鉱物は41万トンに達するとのことです。

2007年期、同社の主要製品年間供給量は鋼材1100万トン、石炭410万トン、
コークス80万トン、電気分解銅14.5万トン、酸化アルミニウム70万トンに達しました。



カザフスタン、資源開発と外資の比率に悩む

中央アジアのカザフスタンは、近年豊富な資源を原動力に中央アジア諸国の
リーダーを自負、資源供給国として存在感を高めながら先進国への仲間入りを目指しています。
そのため外国企業と関係を深めながら開発を進めています。

たとえば世界有数の巨大油田とされるカスピ海沖のカシャガン油田開発をめぐり、
カザフ側は日本勢を含む外国企業から権益を一部先に譲り受け、
持ち株比率を拡大することを決めました。

同国国営のカズムナイガスは14日、外資が保有する持ち株分の一部を
約17億8000万ドル(約1,887億円)で買い取り、
出資比率を8.3%から16.8%に拡大すると発表しました。

イタリアのENIなど欧州の4社は、それぞれ18.5%からカズムナイガスと同じ
16.8%に比率を引き下げられ、国際石油開発を中心に三菱商事などが
参加する日本側では、8.3%から7.6%に低下しました。

しかし 昨春、甘利明経済産業相がカザフを訪問した際、
日本はウラン輸入量を現在の年間需要の1%から3割に拡大する
ことに合意、その代わりに日本から燃料加工などの技術供与をカザフ側に
確約しました。

三菱商事幹部は「カザフにはガスプロムのようにメジャーに匹敵する
国営企業がなく技術力も乏しいので、外国企業と共同で開発を進める
必要性がある」と話しています。

カズムナイガス
首都アスタナにある国営カズムナイガスのビル



カナダから、レアメタル開発投資に大きな期待

カナダ、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州のエネルギー省の
ケビン・クルーガー鉱業担当相がこのほど訪日、レアメタル開発のために
日本を含めたアジアからの投資を求めています。

豊富な石炭や、半導体産業などに使われるレアメタルのモリブデンなどの
鉱山資源が豊富なカナダ。

BC州の石炭産出量は、オーストラリアについで世界第2位。
さらにカナダで唯一、モリブデンが埋蔵している地域でもあります。

BC州は、鉱山開発のために必要な電力網を整備し、法人所得税率も12%と
低く抑えるなど投資環境を整えてきました。
おかげで、カナダの鉱山探査企業の多くが、ここに拠点をおいています。                   

経済成長著しい中国は、資源外交をさまざまに展開、鉱山資源開発のため
BC州への投資にも強い関心を寄せています。インドも同様です。

友好関係の深い日本からも是非、資源開発のための積極的な投資を期待しています。
BC州
ビクトリアは、ブリティッシュ・コロンビア州の州都です。
2010年には、この州のバンクーバー市で冬季オリンピックが開催されます。




日米政府、中国の希少資源輸出制限を批判

アメリカと日本の両政府は、ジュネーブで開催されているWTO(世界貿易機関)で、
希少な天然資源の輸出を制限している中国政府への批判を強めているそうです。

今や世界最大の鉱山資源保有国であり、世界一の経済成長率を誇る中国は、
その一挙一動で世界を動かす強国になりつつあることを実感します。

以下は日経新聞のインターネットニュース(2007.11.25)より引用です。

日米両国政府は希少な天然資源の輸出を制限する中国に対する批判を強めている。
世界貿易機関(WTO)が23日開いた物品理事会で、コークスや蛍石などの世界最大の
生産国である中国が輸出量を制限し、国際価格の高騰につながっていると指摘。
日米は中国の措置がWTO協定や中国の加盟条約に違反するとみており、
補助金問題や海賊版問題に続くWTO提訴につながる可能性も出てきた。

米国は中国が輸出を制限している12の品目を列挙し、「中国はモリブデンを除く11品目の
世界最大の生産国だが、国内販売には何の制限もない」と指摘。
輸出制限に伴う国際価格上昇は、国内で安く手に入る中国企業を有利にしており、
国内外の企業を差別しないWTO協定の原則に反するとの考えを示した。



中国のインジウム市場

中国のインジウムの埋蔵量は世界1位です。

しかし、一部の企業が利益のために、鉱山を乱脈したために、鉱物の利用率が低下しています。
加えて深刻な環境汚染を引き起こしています。

具体的には、広西のインジウムの乱掘後、雲南のインジウム資源が
国内最大のインジウム資源となりました。
雲南のインジウム鉱物は閃亜鉛鉱の中にあるおかげで、2002年末に探査した結果
インジウム埋蔵量は3,779t(他には200万トンの錫、237万トンの亜鉛も)で、
もう一つの鉱区(白牛山)のインジウムの埋蔵量は700tで、豊富な鉱山資源が残されていると
いえるでしょう。
中国市場データバンクより)



南アフリカで生産トラブル

自動車の排ガス触媒などに使うプラチナに供給懸念が広がっています。

プラチナ総生産の約80%を占める南アフリカ共和国で、鉱山トラブルが続発しています。
労働者不足も重なり、価格上昇の原因になるのではとの見方が強まっています。

問題の南アフリカ鉱山のトラブルとは、10月以降から続いている落盤などの生産トラブルです。

世界シェア1位、2位のアングロ・プラチナム、インパラ・プラチナムとノーザム・プラチナム
といった主な鉱山で労働者の死亡事故が相次いでいます。

南アフリカの鉱山では、昨年200人の労働者が事故で死亡しましたが、今年は上半期だけで
150人にも達しています。政府は鉱山会社に安全対策の徹底を指示。労働者組合も
事故防止の徹底を求めて会社と対決姿勢を強めています。

また2010年開催のサッカー・ワールドカップを控えて、労働者の多くが危険な鉱山での
採掘作業よりも、道路や鉄道建設での作業を選ぶので、鉱山では慢性的な人材不足に
なっているそうです。「鉱山労働者は、経験の浅い人が増えて事故が多発している」と
鉱山会社関係者の話。

さらにインフレも進んでいます。鉱山労働者の賃金が引き上げられ、同時に現場に必要な資材や
機械の不足で、価格も上昇。鉱山会社のコストが増加する要因が目白押しです。

プラチナは、環境規制の強化を背景にヨーロッパや北米のディーゼル車の触媒が伸び、
宝飾品としては経済成長の伸びが大きい中国で、需要が増えています。

イギリスの金属精錬・加工大手ジョンソン・マッセィ社の市場調査担当者は、
「来年の生産は今年よりも増えるだろうが、供給不足の根本的な解決は難しい」と指摘しています。

(日経新聞 2007/11/17 より)




レアメタルの産出地は、非常に限られている

レアメタルの産出地は、中国・アフリカ・ロシア・北南米など少数の国に限られています。

レアメタルの産地に関する特徴として、ほとんどのレアメタルが産出量上位3カ国で
50%~90%の埋蔵量を占めていることにあります。

例えばレアアースやタングステンは中国だけで90%以上の埋蔵量があり、
バナジウムは南アフリカ、中国、ロシアの三カ国で98%を占めています。

こういった国々の政策、経済情勢や政情不安などによって、将来さらに入手が困難になることが
予想されます。
事実、中国は今まではレアメタルの輸出国でしたが、現在は自ら消費国になったためので
レアメタルの価格が高騰する要因とも言われています。

技術立国日本は、世界の総消費量の25%も消費している、一大消費国です。

安定的な確保とリサイクル技術の発展が急務であるのが、現状でしょう。




レアメタルの主な国別生産順位

2006年、レアメタル主な国別産出順位

オーストラリア
1位:ニッケル、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハウミウム
カナダ
2位:タングステン、ニオブ、ブルマニウム
3位:インジウム、セシウム
中国
1位:タングステン、バナシウム、バリウム、アンチモン、ビスマス、希士類
南アフリカ
1位:マンガン、プラチナ
2位:クロム、チタン、ジルコニウム
ロシア
1位:クロム
2位:マンガン、プラチナ、パナジウム、 アンチモン

(出典:USGS Mineral Commodity Summaries)
主な産出国