レアメタル市場の動向

住友金属鉱山、ニッケル鉱山開発2000億円・電子材料や車部品向け

住友金属鉱山は、南太平洋のソロモン諸島で、代表的な希少金属(レアメタル)である
ニッケルの鉱山を開発しています。

2000億円強を投じ、2013年にも高純度ニッケル地金の生産を年3万トン規模で
始めます。高純度ニッケルは電子機器や自動車部品の材料として世界需要が拡大、
需給の逼迫(ひっぱく)が予想されています。住友鉱山は既存設備での増産を含め、
日本の年間消費量9万トン弱を1社で賄う供給体制を整備中。

住友鉱山は06年からソロモン諸島で進めていた探鉱で有望な鉱脈の存在であることが
わかりました。

発電設備や積み出し港を整備したうえで、12年にも現地に製錬所を建設。
愛媛県新居浜市の工場で純度を99.99%に高めた地金にし、大半を日本のユーザーに
出荷する計画です。



日本のレアメタル埋蔵量を試算

家電製品などに含まれている金、銀やインジウムなどのレアメタルは、
リサイクルが可能なために「都市鉱山」と呼ばれています。

物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は、国内に眠る資源活用について
研究していますが、このたび「日本国内の蓄積量は世界有数の資源国
といえる規模」とする試算結果を、12日に発表しました。

同機構は、レアメタルなど20種類について、貿易統計などを基本に素材のほか
部品や製品に含まれる輸入量から輸出量を差し引いて算出しました。

その結果、金は約6800トン、銀は約6万トンで、それぞれ世界の埋蔵量の
約16%、約22%に相当、液晶などに使われるインジウムは
世界の埋蔵量の約61%に達する、としています。



スポンジチタン、価格上昇も一服

チタン製品の原料となるスポンジチタン。鉄より4割軽く強度は2倍のチタンは、
燃料を節約できるために航空機への採用が急速に進んでいます。
特に中国やインドなど新興国の旅客増で
航空機生産が増えたこともあり需要が急増し、価格が高騰しました。

しかし最近は、日本や米国などの増産を始めたために、価格の上昇が一服しています。

たとえばスポンジチタンは、大阪チタニウムテクノロジーズと東邦チタニウムが
合わせて世界の3割を生産していますが、
両社の2008年の輸出価格は前年比10%増で、4年連続の上昇ですが、
毎年20―30%上がった過去3年と比べ上げ幅が小幅になりました。

米国の大手も生産設備を増強中。

国内2社は、値上がり幅が抑えられたことに不満な様子はありません。
それは高値になると、調理器具やバイク部品など汎用品でチタン離れが
進む心配があるからです。

業界の一部では、「価格は09年に下がり始める」との声もあります。

チタンの資源量は地下に埋蔵されている金属としては4番目。
耐食性や耐熱性など機能面でも優れているの、もし本格的に値下がりすれば、
身の回りでチタン製品を目にすることがきっと増えるでしょう。


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韓国ポスコ、アメリカのモリブデン鉱山を買収

韓国ポスコは18日、米国ネバダ州にあるモリブデン鉱山の一部権益を買収すると発表しました。

買収金額は1億7000万ドル(約190億円)で、2010年から年間約3000トンの供給を受けます。
モリブデンの十分な供給量を確保し、付加価値の高い鉄鋼の安定的な生産拡大につなげるのが
狙いです。

ポスコは、米ゼネラル・モリーがネバダ州で開発しているマウント・ホープ鉱山のうち、
20%分の権益を買収することで合意しました。この鉱山は10年からモリブデン鉱を
年間1万5000トン生産する計画です。

モリブデンは鉄鋼を硬くし耐食性も高いため、送油管用鋼板やステンレス鋼など
高級鋼の生産に必要な添加剤として用います。
鉄鋼生産の急増に伴い需要が逼迫(ひっぱく)しており、国際価格は上昇傾向に
あります。



ニューカレドニア、ニッケル開発進む

11月16日、住友金属鉱山と三井物産は、フランス領ニューカレドニアのニッケル鉱山開発に
約310億円を追加負担する、と発表しました。

両社の負担総額は約600億円になります。世界的に活発化している資源開発を受けて、
開発資材費や人件費が上昇、総事業費が約70%増えたためです。

両社が参加しているのは、世界最大級のニッケル開発事業と期待されている
「ゴロ・ニッケルプロジェクト」。ブラジル資源大手リオドセのニッケル部門子会社が
開発主体となりますが、住友鉱山と三井物産は合計21%の権益を保有しています。

素材や石油などは、新興国の経済成長を受けて、需要が増加しています。
日本企業も原料やエネルギーの安定調達に向けて、資源開発に力を入れているので、
今回のケースのように、事業費の負担が増加する事例が増えていくようです。

(日経新聞 2007/11/17より)



取引価格が不透明

ベースメタルや貴金属は、世界の主要な商品取引所(ロンドン金属取引所や
ニューヨーク商業取引所など)で売買されるので、価格に透明性があります。

一方レアメタルの多くは、一定の取引高を期待できないために、
商品取引所に上場されていません。

現在のところ、経済紙や金属専門雑誌の発表価格が取引の指標として利用されていて、
取引に透明性があるとは言えないでしょう。

ところで、わが国が備蓄している7鉱種の価格変動と埋蔵量がわかるサイトがあります。

価格変動グラフでは、価格が変動した背景説明があり、当時の世界情勢と重ね合わせると
とても興味深いと思います。

レアメタル価格推移
を見てみよう!




レアメタルの世界的高騰

現在、レアメタルの相場は、かつてないほどの高騰を続けています。

その原因は、レアメタルを安く輸出していた中国をはじめとする資源大国が経済成長とともに、
レアメタルを自国で保有、消費するようになったからです。

今までは、先進国だけの市場に新興諸国が加わり、
ただでさえ供給量が少ないレアメタルをめぐり、激しい争奪戦が展開されています。

同時に、レアメタルの枯渇が大きな問題になりつつあります。いくつかのレアメタルは、
すでに10年以内に枯渇すると発表されています。
その他のほとんどのレアメタルも数十年以内に枯渇するだろうと、専門家たちは予想しています。

そのため最近は、価格の高騰が起こっており、2002年から2007年の5年間で
たとえばニッケルの価格が8倍になり、モリブデンやレアアースなど多くの鉱種で
価格が数倍に跳ね上がっているのが現状です。

一方でレアメタルは用途が狭いために、代替財が開発されると需要が急減する、
という特徴があるので、価格の変動も不安定であるという側面もあります。

こういった状況から、各国の外交戦略上のカードとしても
レアメタルは、かつてないほどの重要な役割を果たすようになっています。